夫婦2人の老後生活費はいくら?平均26.4万円と月25万・30万・35万円を比較【2026年最新】
「夫婦2人で老後を暮らすなら、毎月いくら必要なんだろう?」
25万円あれば足りる?
30万円くらい?
旅行や外食も楽しむなら35万円くらい必要?
老後資金を考えるとき、まずここが分からないと、必要な貯金額も見えてきません。
今週のYouTubeでは、老後資金2,000万円を持っていた場合、生活費によってそのお金が何年もつのかを計算しました。
老後2,000万円、何年もつ?|夫婦2人・65歳から計算してみた
動画では月25万円・30万円・35万円などで比較しましたが、そもそも気になるのが、
「夫婦2人の老後生活費って、実際は月いくらくらいなの?」
ということです。
そこで今回は、総務省の最新「家計調査 2025年平均」と、生命保険文化センターの2025年度調査を使って、
- 実際の高齢夫婦はいくら使っているのか
- 何にお金を使っているのか
- 月25万円・30万円・35万円はどのくらいの水準なのか
- なぜ「平均26万円」をそのまま自分に当てはめてはいけないのか
を整理します。
先に結論です。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、
消費支出の平均は月263,979円
約26.4万円です。
ただし、これは「あなたにも26.4万円必要」という意味ではありません。
住まい・車・旅行・趣味などによって、必要額は大きく変わります。
夫婦2人の老後生活費|最新平均は月約26.4万円
総務省統計局「家計調査 2025年平均」では、
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1か月の家計は次のようになっています。
| 項目 | 月平均 |
|---|---|
| 実収入 | 254,395円 |
| 税・社会保険料など | 32,850円 |
| 可処分所得 | 221,544円 |
| 消費支出 | 263,979円 |
| 家計上の差額分 | ▲42,434円 |
この数字を見ると、
「平均的な夫婦は年金だけでは毎月4.2万円足りないんだ」
と思うかもしれません。
でも、そこは少し注意が必要です。
実収入254,395円には、公的年金などの社会保障給付228,614円のほか、勤め先収入やその他の収入も含まれています。
つまり、
「年金だけで4.2万円不足している」
という数字ではありません。
これはあくまで、調査対象となった高齢夫婦無職世帯の平均的な家計収支です。
自分の年金額や生活費とは分けて考える必要があります。
実は「26.4万円」だけを見るのも少し違う
ここも、老後生活費を調べるときに知っておきたいポイントです。
26万3,979円というのは、
食費・住居・光熱費・医療・趣味などの「消費支出」
です。
これとは別に、税金や社会保険料などの非消費支出32,850円があります。
両方を足すと、
消費支出
263,979円
+
税・社会保険料など
32,850円
=
296,829円
約29.7万円です。
なので、
「日々の暮らしにいくら使っている?」
なら約26.4万円。
「税・社会保険料まで含めて、家計からどれくらい出ていく?」
なら約29.7万円。
と、見る数字によって少し意味が違います。
今回の月25万円・30万円・35万円との比較では、まず消費支出26.4万円を基準にします。
ただし、自分の老後資金を計算するときは税・社会保険料も忘れないようにしたいところです。
平均26.4万円|何にお金を使っている?
では、26万3,979円の中身を見てみましょう。
| 項目 | 月平均 | 消費支出に占める割合 |
|---|---|---|
| 食料 | 78,964円 | 29.9% |
| 住居 | 17,739円 | 6.7% |
| 光熱・水道 | 23,540円 | 8.9% |
| 家具・家事用品 | 11,237円 | 4.3% |
| 被服・履物 | 5,354円 | 2.0% |
| 保健医療 | 17,941円 | 6.8% |
| 交通・通信 | 31,325円 | 11.9% |
| 教養娯楽 | 26,538円 | 10.1% |
| その他の消費支出 | 51,341円 | 19.4% |
最も大きいのは食費で、約7.9万円。
次に交通・通信、教養娯楽などが続きます。
老後だからといって、食費や光熱費がなくなるわけではありません。
一方で、教育費など現役時代より減る可能性がある支出もあります。
だから老後生活費は、
「今の生活費をそのまま老後まで続ける」
とも、
「退職したら一気に安くなる」
とも限りません。
「最低23.9万円」「ゆとり39.1万円」は何の数字?
老後生活費を検索すると、もう一つよく見る数字があります。
夫婦2人の老後の最低日常生活費
平均23.9万円
ゆとりある老後生活費
平均39.1万円
これは生命保険文化センターの「2025年度 生活保障に関する調査」の数字です。
ただし、総務省の26.4万円とは意味が違います。
| 金額 | 何を表す? | |
|---|---|---|
| 総務省 家計調査 | 26.4万円 | 実際に高齢夫婦無職世帯が使った平均 |
| 最低日常生活費 | 23.9万円 | 老後に最低これくらい必要だと回答者が考えた金額 |
| ゆとりある老後生活費 | 39.1万円 | ゆとりある老後に必要だと回答者が考えた金額 |
39.1万円を、
「老後の夫婦は平均39万円使っている」
と読むのは間違いです。
ゆとりのために上乗せしたい使い道としては、
- 旅行・レジャー
- 日常生活費の充実
- 趣味・教養
- 家族や身内との付き合い
などが挙げられています。
つまり39.1万円は、
「こういう老後を送りたい」という希望も含んだ数字
と考えた方が分かりやすいです。
では月25万円の老後生活はどのくらい?
ここから、YouTubeで使った3パターンを比べてみます。
月25万円
月25万円
総務省の平均26.4万円より
約1.4万円少ない
最低日常生活費23.9万円より
約1.1万円多い
25万円は、総務省の平均消費支出にかなり近い水準です。
「極端に少ない生活費」というわけではありません。
ただし、税・社会保険料まで含めて月25万円に収めるという意味なら、家計調査の実支出約29.7万円よりかなり少なくなります。
そして何より、
家賃があるかどうか
で難易度が大きく変わります。
月30万円なら?
月30万円
月30万円
総務省の平均消費支出26.4万円より
約3.6万円多い
日々の生活費だけで30万円なら、平均より少し余裕があります。
でも面白いのが、税・社会保険料まで含めた家計調査上の実支出が約29.7万円であることです。
つまり、
「全部込みで月30万円」なら、最新の平均家計にかなり近い。
とも見られます。
だから、
「老後に月30万円は使いすぎ」
と数字だけで決めることはできません。
旅行・外食・趣味をどれくらい楽しむのか。
車を維持するのか。
そして家賃があるのか。
それによって30万円の意味はまったく変わります。
月35万円なら?
月35万円
月35万円
総務省の平均26.4万円より
約8.6万円多い
ゆとりある老後生活費39.1万円より
約4.1万円少ない
平均消費支出だけを見ると、35万円はかなり高く見えます。
でも、
「35万円=ぜいたく」
とは限りません。
たとえば賃貸住宅で家賃が高い場合。
車を所有する場合。
旅行を毎年楽しみたい場合。
趣味や外食を大切にしたい場合。
生活費が35万円になることは十分ありえます。
25万・30万・35万円をまとめて比較
| 毎月の生活費 | 平均26.4万円との差 | 年間支出 | イメージ |
|---|---|---|---|
| 25万円 | 約1.4万円少ない | 300万円 | 平均に近い。住居費次第では節約が必要 |
| 30万円 | 約3.6万円多い | 360万円 | 平均より少し多い。税・社会保険料込みなら平均総支出に近い |
| 35万円 | 約8.6万円多い | 420万円 | 平均より高いが、賃貸・車・旅行などで十分ありえる |
25万円と35万円の差は、
毎月10万円。
年間では、
120万円。
この違いが20年、30年続くと、老後資金への影響はかなり大きくなります。
平均だけでは決められない|一番大きいのは「住まい」
今回の記事で特に注意してほしいのが、家計調査の住居費17,739円です。
この数字を見て、
「老後の家賃は月1万8,000円くらいでいいんだ」
とは考えないでください。
この住居費は、賃貸住宅だけの家賃平均ではありません。
持ち家世帯も含めた調査対象全体の平均です。
総務省の2025年平均では、二人以上の無職世帯全体の持家率は94%台と非常に高くなっています。
今回の「65歳以上夫婦のみ無職世帯」と完全に同じ集計範囲ではありませんが、少なくとも住居費1.8万円を賃貸の家賃目安として使うのは適切ではありません。
例えば家賃7万円なら?
単純に平均の住居費17,739円を家賃7万円に置き換えると、
平均消費支出
263,979円
- 17,739円
+ 家賃70,000円
=
約31.6万円
になります。
家賃10万円なら、単純計算では約34.6万円です。
もちろん、これは家賃だけを入れ替えた単純例です。
でも、
「月35万円=平均より8万円も多いからぜいたく」
とは言い切れない理由が分かると思います。
車・旅行・外食・趣味でも大きく変わる
住居だけではありません。
老後生活費は、その人がどんな生活をしたいかで変わります。
たとえば、
- 車を維持する
- 年に何度か旅行する
- 外食を楽しむ
- ゴルフや趣味を続ける
- 子どもや孫にお金を使う
- 住宅の修繕が必要になる
- 医療費・介護費が増える
などです。
特に医療費については、前の記事で高額療養費制度を詳しく整理しています。
老後2,000万円、医療費が怖くて使えない?高額療養費で自己負担はいくら?
老後の生活費を考えるときは、こうした「毎月ではない支出」も少し分けて考えておくと分かりやすくなります。
老後2,000万円が何年もつかは「毎月の差」で大きく変わる
25万円と35万円。
1か月だけなら、差は10万円です。
でも1年間なら、
120万円。
10年間なら、単純な支出差だけで1,200万円になります。
だから老後資金を考えるとき、
「2,000万円持っているか?」
だけを見ても答えは出ません。
もっと重要なのは、
「毎月いくら入ってきて、いくら使う?」
です。
YouTubeでは、生活費25万円・30万円・35万円などの違いによって、老後2,000万円の資産寿命がどう変わるのかを実際に計算しています。
老後2,000万円、何年もつ?|夫婦2人・65歳から計算してみた
僕は「平均まで削る老後」にしたいわけではない
ここから少しだけ、僕自身の考えです。
老後だからといって、
旅行もやめる。
外食もやめる。
趣味も全部やめる。
そして、ただお金を減らさないことだけを目標にする。
僕は、そんな老後にしたいわけではありません。
一方で、楽しみを優先しすぎて毎月大きな赤字が続くのも不安です。
だから、
「世間の平均はいくら?」
を知ったあとに、
「自分は何にお金を使いたい?」
まで考える。
ここが大切なんだと思います。
老後じゃない、これからが人生の楽しい時間。
楽しむためにも、まず自分のお金を知っておきたいです。
自分の老後生活費はどう考える?
「平均26.4万円だから、うちも26.4万円」
ではなく、今の自分の生活から考えてみるのが分かりやすいです。
たとえば、今の支出を3つに分けます。
① 絶対に残したい生活費
- 食費
- 住居費
- 光熱費
- 通信費
- 医療費
② 老後には減りそうな支出
- 仕事関連の費用
- 通勤費
- 教育費
- 住宅ローン
※実際に減るかどうかは各家庭で異なります。
③ 老後も楽しみたい支出
- 旅行
- 外食
- 趣味
- 車
- 家族や友人との付き合い
この3つを足してみると、
自分たちなりの「老後月○万円」
が見えてきます。
今日の小さな作戦|今の支出を3つに分ける
今日は「老後は月30万円必要」と決めなくて大丈夫です。
まず、今の1か月の支出を見てください。
① 絶対に残したい生活費
② 老後には減りそうな支出
③ 老後も楽しみたい支出
この3つに分けてみます。
そして、
「自分たちは老後、月いくらあれば今の生活を楽しめそう?」
を一度計算してみてください。
平均を見るより、自分に必要なお金が少しずつ見えてくると思います。
よくある質問
夫婦2人の老後生活費はいくらが平均ですか?
総務省「家計調査 2025年平均」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月平均263,979円、約26.4万円です。税金や社会保険料など32,850円を加えると、家計調査上の実支出は約29.7万円です。
夫婦で老後に月30万円は使いすぎですか?
一概には言えません。消費支出だけなら平均26.4万円より約3.6万円多いですが、税・社会保険料まで含めた平均実支出は約29.7万円です。住居費や車、趣味などによっても大きく変わります。
「ゆとりある老後39.1万円」は実際の平均生活費ですか?
違います。39.1万円は生命保険文化センターの調査で、回答者が「ゆとりある老後生活に必要」と考えた平均金額です。実際の高齢夫婦無職世帯の消費支出平均は約26.4万円です。
老後の家賃は月1万8,000円くらいで考えていいですか?
いいえ。家計調査の住居費17,739円は、持ち家世帯も含めた平均です。賃貸で暮らす予定なら、平均の住居費ではなく、自分が老後に支払う予定の家賃を入れて計算する必要があります。
月25万円と35万円ではどれくらい差が出ますか?
毎月10万円、年間120万円の差です。10年間では単純な支出差だけで1,200万円になります。実際の資産寿命は年金などの収入や運用、臨時支出によっても変わります。
まとめ|平均は参考。でも「正解」は自分の暮らしで決まる
2025年の最新データを整理すると、
- 夫婦高齢者無職世帯の消費支出:約26.4万円
- 税・社会保険料なども含めた実支出:約29.7万円
- 最低日常生活費として必要だと考える額:23.9万円
- ゆとりある老後生活費として必要だと考える額:39.1万円
となっています。
月25万円なら平均に近い。
月30万円なら消費支出平均より少し多いものの、税・社会保険料を含めた平均総支出に近い。
月35万円なら平均より高い。
でも賃貸、車、旅行、趣味などによっては十分ありえる。
結局、
老後生活費の平均は参考になる。
でも、正解は平均ではない。
自分が何にお金を使いたいかで決まる。
老後だから、楽しみを全部削る必要はありません。
でも、何となく使い続けるのも不安です。
平均を知って、
自分の固定費を知って、
そして「これから何を楽しみたいか」を考える。
老後じゃない、これからが人生の楽しい時間。
そのための生活費を、自分たちで一度計算してみましょう。
参考情報
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2025年」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「2025年度 生活保障に関する調査」
公的情報確認日:2026年9月29日
※家計調査の数字は調査対象世帯の平均値であり、個々の家庭に必要な老後生活費を示すものではありません。住居形態、地域、家族構成、車の有無、趣味、医療・介護費などによって実際の支出は異なります。
