健康⑩〜骨・関節の病気〜

高齢になると、骨密度の低下・筋力の衰え・関節のすり減りなどにより、骨や関節の病気が起こりやすくなります。
これらの病気を放置すると、転倒・骨折・歩行困難・寝たきりのリスクが高まり、健康寿命を縮める原因になります。

1.高齢者に多い骨の病気
①骨粗しょう症

特徴:
・骨がスカスカになり、脆くなる
・特に女性に多く、閉経後のホルモン変化が影響
・ちょっとした転倒でも骨折しやすくなる
主な症状:
✅背が縮む(身長が2cm以上低くなる)
✅背中や腰が痛む(圧迫骨折)
✅転びやすい、骨折しやすい
リスク:
✅転倒→骨折→寝たきりのリスク増加
✅圧迫骨折による背骨の変形
✅骨折が原因で認知症やフレイル(虚弱)になることも
予防・対策:
✅カルシウムを多く摂る(牛乳・チーズ・小魚・豆腐)
✅ビタミンDを摂る(鮭・きのこ・卵+日光浴)
✅運動する(ウォーキング・スクワット)
✅骨密度検査を定期的に受ける(50歳以上推奨)
②大腿骨骨折

特徴:
・太ももの付け根(大腿骨)が折れる骨折
・骨粗しょう症が進行すると、軽い転倒でも発症
・高齢者の骨折の中でも、寝たきりの原因としても最も危険
主な症状:
✅転倒後、足を動かせない・激しい痛み
✅立ち上がれない・歩けない
リスク:
✅手術・入院我必要になることが多い
✅リハビリが遅れると、寝たきりのリスクが高まる
予防・対策:
✅骨粗しょう症を予防する(カルシウム・ビタミンD摂取)
✅転倒予防(室内の段差をなくす・滑りにくい靴を履く)
✅筋力トレーニング(スクワット・かかと上げ)
2.高齢者に多い関節の病気
①変形性膝関節症

特徴:
・膝の軟骨がすり減り、炎症や痛みが起こる
・加齢、肥満、筋力低下が主な原因
・特に女性に多い
主な症状:
✅膝が痛む(特に歩き始めや階段の昇り降り)
✅膝が腫れる・水が溜まる
✅O脚になりやすい
✅進行すると歩行困難に
リスク:
✅痛みで運動不足になり、筋力低下が進む
✅歩けなくなると要介護状態に
予防・対策
✅適正体重を維持する(肥満は膝に負担をかける)
✅膝周りの筋肉を鍛える(太もも・ふくらはぎの筋トレ)
✅正しい歩き方を意識する(足の指を使って歩く)
✅関節の負担を減らす(杖やサポーターを活用)
②変形性股関節症

特徴:
・股関節の軟骨がすり減り、炎症や痛みが発生
・先天性股関節脱臼や加齢が原因
・進行すると歩行困難になる
主な症状:
✅歩き始めや長時間歩いた後に股関節が痛む
✅足の動きが悪くなる(靴下を履きづらい)
✅進行すると、股関節が変形し、歩けなくなる
リスク:
✅歩行困難になると生活の質(QOL)が低下
✅痛みによる運動不足で、さらに悪化
予防・対策
✅股関節の筋肉を鍛える(スクワット・ストレッチ)
✅適正体重を維持する
✅正しい歩く方を意識する(股関節に負担をかけない動き)
③リウマチ(関節リウマチ)

特徴:
・自己免疫疾患の一種で、関節が炎症を起こし、痛み・変形を引き起こす
・手指や足の関節に多いが、全身の関節に広がることも
・進行すると、関節の変形で日常生活に支障が出る
主な症状:
✅朝起きた時に手指がこわばる(朝のこわばり)
✅関節の腫れや痛み(両手両足に対称的に出る)
✅進行すると、関節の変形や動かしにくさが出る
リスク:
✅進行すると日常生活(食事・着替え)が困難に
✅全身の倦怠感や微熱を伴うことも
予防・対策:
✅早期発見・治療が重要(病院での検査・リウマチ専門医の診断)
✅適度な運動(ストレッチ・関節を柔らかくする体操)
✅手指の負担を減らす(補助具の活用)
3.骨・関節の病気を予防するための生活習慣
①栄養バランスの良い食事
✅カルシウムをしっかり摂取(牛乳・ヨーグルト・小魚・大豆製品)
✅ビタミンDを意識(魚・きのこ類・日光浴)
✅タンパク質を摂る(筋肉を維持するために肉・魚・卵)
②適度な運動
✅ウォーキング・スクワット・ストレッチを習慣にする
✅転倒予防のためのバランストレーニング(片足立ちなど)
③転倒予防
✅家の段差をなくす・滑りにくい靴を履く
✅夜間の照明を工夫し、転びにくい環境を作る
まとめ
骨粗しょう症や関節疾患は、高齢者の転倒や寝たきりの原因になります。
予防のカギは、食事・運動・転倒予防の3つ!!!
関節の痛みが出たら早めに医療機関を受診することが大切です。
また、まだ年齢が若いからといって発症しないとは限りません。
自分の体とよく相談し、気になったら早めに病院に行くべきでしょう。
「骨と関節を守る生活習慣」を意識し、健康寿命を伸ばしましょう!