健康⑨〜認知症〜

認知症とは
脳の動きが低下し、記憶・判断力・思考力・理解力などの認知機能が持続的に障害され、日常生活に支障をきたす病気です。
加齢とともに発症リスクが高まり、日本では65歳以上の約7人に1人が認知症を発症すると言われています。
認知症は一度発症すると完全に治すことは難しいため、早期発見・予防が重要です。

1.認知症の主な種類
①アルツハイマー型認知症(全体の約60〜70%)

特徴:
・脳内に「アミロイドβ」という異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞が破壊されることで発症
・徐々に記憶力、判断力が低下し、進行すると日常生活に支障をきたす
・女性に多い
初期症状:
✅最近の出来事を忘れる(食べたものを思い出せない)
✅同じ話を何度もする
✅物の名前が出てこない
✅しまし忘れ・置き忘れが増える
進行すると…
✅道に迷う(自宅近くでも迷子になる)
✅時間や場所の感覚がなくなる
✅料理や家事ができなくなる
✅最終的には会話や歩行が困難に
②血管性認知症(全体の約20〜30%)

特徴:
・脳梗塞や脳出血によって脳の血流が悪くなり、脳細胞が死滅することで発症
・症状が「階段状」に悪化する(起こりやすい、うつ症状)
・高血圧、糖尿病、脂質異常症が主な原因
初期症状:
✅記憶の抜け落ちがる(アルツハイマー型ほどひどくない)
✅感情の起伏が激しくなる(怒りやすい・うつ症状)
✅注意力が低下し、ミスが増える
進行すると…
✅判断力・思考力が低下し、仕事や家事ができなくなる
✅歩行支障が現れ、転倒しやすくなる
✅会話がうまくできなくなる
★予防のポイント:
・高血圧、糖尿病、脂質異常症をしっかり理解する!
・禁煙、適度な運動、バランスの良い食事を心がける!
③レビー小体型認知症(全体の約10〜15%)

特徴:
・脳に「レビー小体」という異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞が壊れる病気
・幻視(実際にはないものが見える)が特徴的な症状
・パーキンソン病と似た症状(手足の震え、転倒しやすい)も現れる
初期症状:
✅リアルな幻視がある(人・虫・動物が見える)
✅日によって認知機能が変動する(調子が良い人と悪い日がある)
✅転びやすくなる(走行障害)
進行すると…
✅記憶障害が進行し、日常生活に支障が出る
✅幻視が頻繁になり、混乱する
✅自律神経の異常(血液の変動、失神)
★予防のポイント:
・睡眠障害の改善!(昼夜逆転を防ぐ)
・適度な運動、リラックスする時間を待つ!
④前頭側頭型認知症(ピック病)(全体の約5%)

特徴:
・前頭葉と側頭葉の神経細胞が萎縮することで発症
・アルツハイマー型とは異なり、初期には記憶障害が目立たず、生活、行動の変化が顕著
初期症状:
✅怒りぽくなる・衝動的な行動が増える
✅同じ言動を繰り返す(同じものを食べ続ける)
✅常識外れな行動をする(突然大声を出す、万引きをする)
進行すると…
✅感情コントロールができなくなる
✅自分の行動を押されられなくなる
★予防のポイント:
・社会活動を続け、コミュニケーションを大切にする!
・趣味やボランティアに参加する!
2.認知症の予防法
認知症は完全に防ぐことは難しいですが、生活習慣を改善することでリスクを大幅に減らすことができます。
①運動習慣をつける
✅1日30分以上のウォーキング(血流改善で脳を活性化)
✅スクワットやストレッチ(筋力低下を防ぐ)
②食生活を改善する
✅DHA・EPAを含む魚(サバ・イワシ)
✅野菜・果物・ナッツ類を多く食べる(抗酸化作用)
✅糖質の摂りすぎを控える(糖尿病予防)
③脳を刺激する
✅読書・パズル・計算をする
✅楽器演奏・絵を描く(創造力を刺激)
✅デジタル機器を活用(スマホ・パソコン)
④人との交流を増やす
✅友人や家族と積極的に会話する
✅地域のサークル・ボランティア活動に参加する
⑤質のよい睡眠をとる
✅7時間以上の睡眠を確保
✅昼間は30分以内にする
まとめ
認知症は生活習慣を改善することでリスクを減らせるはずです!
それも予防・早期発見・適切な治療が重要になってきます。
そして運動や食事、社会活動を少しずつでも継続していくことはカギになってくると思います。
少しでも参考になって、実践いただけると幸いです。