健康⑦〜高齢者に多い病気〜

高齢者になると体の機能の低下し、さまざまな病気のリスクが高まります。
特に生活習慣病、認知症、骨・関節の病気、感染症などが高齢者に多くみられます。
今回はそれらのまとめと予防方法を紹介します。
これらの病気を知ってもらい、予防し、健康寿命を延ばすことが重要です。

1.生活習慣病(高血圧・糖尿病・糖質異常症)
①高血圧

症状:頭痛、めまい、動悸、無症状の場合も多い
原因:血管の老化、塩分の摂りすぎ、運動不足、ストレス
リスク:脳卒中、心筋梗塞、肝臓病
予防・対策
・塩分を1日6g以下に制限(減塩味噌、醤油を活用)
・野菜、果物を多く摂取(カリウムが血圧を下げる)
・適度な運動(ウォーキングや軽い筋トレ)
・ストレス管理(深呼吸、趣味を楽しむ)
②糖尿病

症状:喉の渇き、頻尿、疲れやすい、体重減少
原因:インスリンの動きの低下、過食、運動不足
リスク:失明、腎不全、足の壊疽(切断)、認知症のリスク増
予防・対策
・糖質の摂りすぎを控える(白米→玄米、パン→全粒粉)
・タンパク質、食物繊維をしっかり摂取(大豆、魚、野菜)
・1日30分の運動(食後の軽い散歩も効果的)
・血糖値を定期的に測定し、早めの対応
③糖質異常症(高コレステロール・中性脂肪)

症状:無症状が多いが、放置すると動脈硬化を進行させる
原因:油の摂りすぎ、運動不足、遺伝
リスク:心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化
予防・対策
・悪玉(LDL)コレステロールを減らす(魚、オリーブオイルを活用)
・適度な運動で代謝を高める(軽いジョギングやエアロビ)
・禁煙、節酒(タバコは血管を傷つける)
2.認知症

①アルツハイマー型認知症
症状:記憶障害(物忘れ)、判断力の低下、日常生活の支障
原因:脳内の異常なタンパク質の蓄積
リスク:加齢、遺伝、高血圧、糖尿病、運動不足
②血管性認知症
症状:ある日突然、認知機能が低下(脳卒中後に多い)
原因:脳卒中(脳梗塞、脳出血)による脳のダメージ
リスク:高血圧、糖尿病、動脈硬化、喫煙
予防・対策
・生活習慣病を管理する(特に高血圧・糖尿病)
・脳に刺激する(読書、計算、楽器演奏、ボードゲーム)
・社会との交流を増やす(趣味、ボランティア)
・良質な睡眠をとる(7時間以上)
3.骨・関節の病気
①骨粗しょう症

症状:骨折しやすくなる(特に背骨、大腿骨)
原因:カルシウム不足、運動不足、女性ホルモン低下(閉経後)
リスク:骨折→寝たきりになる可能性が高い
予防・対策
・カルシウム(牛乳、チーズ、小魚)とビタミンD(きのこ・鮭)を摂る
・適度な運動(スクワット、階段の上がり下がり)
・日光浴(1日15分以上)
・転倒予防(家の中の段差をなくす、滑りにくい靴を履く)
②変形性関節症(膝・股関節)

症状:膝や股関節の痛み、動きが制限される
原因:加齢、肥満、関節の酷使
リスク:歩行困難になり、要介護状態へ進行
予防・対策
・適正体重を維持(膝への負担を軽減)
・関節に優しい運動(水泳、ストレッチ)
・サポーターや靴の工夫(クッション性の高い靴を選ぶ)
4.感染症(肺炎・インフルエンザ)

①誤嚥性肺炎
症状:咳、発熱、呼吸困難
原因:食べ物や唾液が誤って肺に入ることで細菌感染
リスク:高齢者は嚥下機能が低下しやすい
予防・対策
・食事中によく噛む、ゆっくり食べる
・飲み込みのトレーニング(あいうべ体操)
・口腔ケアを徹底(歯磨き、うがい)
②インフルエンザ・新型コロナ

症状:発熱、倦怠感、咳、息苦しさ
原因:ウイルス感染
リスク:高齢者は重症しやすい
予防・対策
・ワクチン接種(重症化を防ぐ)
・手洗い、うがい、マスクの徹底
・免疫力を高める生活習慣(栄養、睡眠、運動)
まとめ
高齢者に多い病気には、生活習慣病・認知症・骨粗しょう症などがあり、これらを予防することが健康寿命を延ばす鍵となります。
予防のポイント
✅バランスの取れた食事(減塩・高タンパク・カルシウム・ビタミン)
✅適度な運動(筋力・関節・脳の健康維持)
✅社会参加(孤独を防ぎ、認知症リスクを減らす)
✅定期的な健康診断(病気の早期発見)
✅ワクチン接種と感染症(肺炎・インフルエンザ予防)
「病気になってから治す」ではなく、「病気を防ぐ生活習慣」を今から・早期に意識することが大切です。