人間関係⑦〜地域共生社会〜


地域共生社会とは
制度や分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係性を超えて、地域住民や多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて繋がることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、そして地域をともに作り上げていく社会です。
背景と必要性
日本では、人口減少や高齢化、核家族化の進化に伴い血縁・地縁・社縁といったつながりが弱まり、地域のつながりが希薄化し、従来の福祉サービスだけでは対応しきれない複雑で多様な課題が増加しています。
これらの課題に対応するためには、地域全体で支え合う新たな仕組みが求められています。
地域共生社会の特徴
1.縦割りの打破
制度や分野ごとの縦割りを超えて、包括的な支援体制を構築します。
2.支え手・受け手の関係性の超越
「支える側」「支えられる側」という固定的な関係を超え、誰もが役割を持ち、相互に支え合う関係性を築きます。
3.世代や分野を超えたつながり
世代や分野を超えて、人と人、人と資源がつながり、地域全体で課題解決に取り組みます。
実現に向けた取り組み
地域共生社会の実現に向けて、厚生労働省は「重層的支援体制整備事業」を推進しています。
この事業では、属性を問わない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施し、地域全体で支え合う体制を構築を目指しています。
取り組み事例
全国各地で、地域共生社会の実現を目指した多様な取り組みが展開されています。
→100人バンク:「好きなこと・得意なこと」を登録してまちづくりに役立てる
カフェ・サロン:いろんな人が交流できる居場所づくり
子育てのつどい:子育て世代と地域の方や福祉施設などと交流、紹介https://www.city.toyama.toyama.jp/etc/pr/mag/220205/pages/2.html(広報とやまHP 地域共生社会ページ)
→民間企業とともにつながりをhttps://www.mhlw.go.jp/kyouseisyakaiportal/jirei/09.html(厚生労働省HP 伊賀市)
→スマホアプリを使った「車いす街歩き」https://www.mhlw.go.jp/kyouseisyakaiportal/jirei/06.html(厚生労働省HP wheelog アプリ)
他分野との連携
地域共生社会の実現を目指す際には、福祉分野だけでなく、教育やまちづくりなどの地域の持続を高める施策との連携を意識することが重要です。
→厚生労働省HP 他分野との連携https://www.mhlw.go.jp/kyouseisyakaiportal/renkei/
まとめ
これらの取り組み通じて、地域住民一人ひとりが主体的に関わり、支え合うことで誰もが安心して暮らせる地域社会の実現できるでしょう。
また、前回紹介した地域包括ケアシステム(人間関係⑥)(高齢者が住み慣れた地域で自分らしく生活を続けるための仕組み)で地域の中で必要なサービスが提供され、前々回紹介した見守りネットワーク(人間関係⑤)(地域住民や企業、行政などが協力して、高齢者など支援が必要な人を見守る仕組み)で包括ケアシステムを補完出来れば、地域共生社会が実現されていくでしょう。
微力ながら、応援していきたいです。