世界の主要宗教ざっくり図解|ニュースと葬式がわかる宗教地図
海外ニュースや旅行先で「この国は何宗?」と戸惑った経験はありませんか。葬式や行事の背景にもなる主要宗教を、数字と特徴で“ざっくり”整理します。
読むと:世界の出来事や葬送文化が“地図のように”整理でき、必要なときに落ち着いて調べられます。
こんな経験はありませんか?
・ニュースで「宗派」「宗教対立」という言葉が出ても、何がどう違うのか分からない。
・海外の結婚式やお葬式の話を聞いて、マナーや意味が気になった。
・「無宗教」と言いつつ、行事は宗教っぽい……このギャップがモヤっとする。
このシリーズでは、宗教を“正しい/間違い”で語るのではなく、文化・歴史・社会の仕組みとして理解することを目指します。
※シリーズ第1回(作成済):「葬式と宗教の超入門」
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1. まず結論:世界の宗教は「7つの大分類」で見ると迷いにくい
世界の宗教を細かく学ぶ前に、まずは「大分類(7カテゴリ)」で全体像をつかむのが一番ラクです。
(ここでは国際的な推計として、Pew Research Centerの推計(2010→2020の変化)を参照します)
世界の宗教(2020年)ざっくり一覧
| カテゴリ(7分類) | 人口(推計) | 世界シェア | ざっくりメモ |
|---|---|---|---|
| キリスト教 | 2,268,860,000 | 28.8% | 世界最大。地域差・教派差が大きい |
| イスラム教 | 2,022,590,000 | 25.6% | 増加ペースが大きい。生活規範と結びつきやすい |
| 無宗教(無所属) | 1,905,360,000 | 24.2% | 「信仰がない」ではなく「所属がない」も含む |
| ヒンドゥー教 | 1,177,860,000 | 14.9% | 主に南アジア。文化・生活習慣と密接 |
| 仏教 | 324,190,000 | 4.1% | 主にアジア。地域差が大きい |
| その他宗教 | 172,170,000 | 2.2% | シク教・ジャイナ教・道教・神道など幅広い |
| ユダヤ教 | 14,780,000 | 0.2% | 人口比は小さいが歴史・文化影響は大きい |
※数値は推計であり、端数処理(四捨五入)により合計がぴったり一致しない場合があります。
図解(イメージ):世界シェアを“ざっくり”見る
キリスト教 29% ██████████████ イスラム教 26% █████████████ 無宗教等 24% ████████████ ヒンドゥー 15% ███████ 仏教 4% ██ その他 2% █ ユダヤ教 0.2% (ごく少数)
2. 「主要宗教」を一言で(世界観・地域・葬送の傾向)
ここは“超入門”として、それぞれの宗教を「何を大切にしやすいか」「どこに多いか」「葬送に触れるときのポイント」の3点で整理します。
※宗教は一枚岩ではありません。国・地域・教派・家庭で大きく変わります。
キリスト教(Christianity)
- 大切にしやすい軸:神への信仰、共同体(教会)、祈り・礼拝
- 多い地域:アメリカ大陸、欧州、サブサハラ・アフリカなど幅広い
- 葬送の傾向:教派や国の慣習により、土葬・火葬・式次第はさまざま。まずは「地域の慣習」と「教会・葬儀社の案内」を優先すると迷いにくい
イスラム教(Islam)
- 大切にしやすい軸:信仰(アッラー)、日常の規範(礼拝や生活習慣)
- 多い地域:中東・北アフリカ、南アジア、東南アジアなど
- 葬送の傾向:洗浄(清め)や埋葬の手順など、宗教的作法が重視されることがある(地域差あり)。迷ったら当事者・関係者の案内を確認するのが安全
ヒンドゥー教(Hinduism)
- 大切にしやすい軸:多様な神々・伝統、人生儀礼(通過儀礼)
- 多い地域:主にインドを中心とする南アジア
- 葬送の傾向:火葬が広く見られる地域もあるが、地域・共同体の慣習が大きい。映像や噂だけで断定せず、一次情報や現地の説明を優先したい
仏教(Buddhism)
- 大切にしやすい軸:教え(悟り・慈悲など)の受け止め方は多様
- 多い地域:東南アジア、東アジアなど(地域差が大きい)
- 葬送の傾向:儀礼や読経、火葬・納骨などは国・地域・宗派で幅がある。「同じ仏教でも違う」を前提にすると誤解が減る
ユダヤ教(Judaism)
- 大切にしやすい軸:共同体、律法・伝統、儀礼
- 多い地域:イスラエル、北米などに集中
- 葬送の傾向:埋葬や喪の期間(たとえば一定期間の追悼習慣)など、伝統的な作法が語られることがある(地域差・宗派差あり)
無宗教(無所属)/宗教的に無所属(Religiously unaffiliated)
- 大切にしやすい軸:「所属がない」人の集まりで、価値観は幅広い(無神論・不可知論・“特に決めていない” など)
- 多い地域:国により傾向が大きい
- 葬送の傾向:無宗教葬・家族中心の式など、形式よりも「本人・家族の希望」を重視しやすい場合がある
その他宗教(Other religions)
- 中身:道教・神道・シク教・ジャイナ教など、さまざまな宗教の総称(単一の文化ではない)
- 葬送の傾向:地域文化と密接な場合が多い。分類名だけでイメージを固定しないのがポイント
3. 「宗教の話」で誤解が増えやすいポイント(超重要)
- 宗教=一枚岩ではない:同じ宗教名でも、国・地域・教派・家庭で違う
- 数字の「意味」が違う:自己申告、所属登録、儀礼参加など、何を宗教と数えるかで結果が変わる
- ニュースは“強い場面”が映りやすい:日常の穏やかな姿は報道されにくい。まずは一次情報・基礎資料で補うとバランスが取れる
4. この「宗教地図」が、葬式・終活にどう役立つ?
葬式や供養は、宗教(または文化)が「別れに意味づけを与える装置」として働く場面でもあります。
世界の宗教をざっくり押さえておくと、次のようなときに“調べ方の軸”ができます。
- 海外の葬送文化(火葬・土葬・儀礼など)の背景を理解しやすい
- 宗教用語(教会、モスク、寺院など)が出たときに混乱しにくい
- 「相手の大事にしていること」を尊重しやすく、失礼のリスクが下がる
5. 今日の1アクション(3分)
- ニュースで宗教名が出たら「7分類のどれか」だけメモ:まず“分類”ができると理解が進む
- 旅行先(候補)の宗教を1つ調べる:服装・食・休日の背景が見えやすい
- 家族の葬送の希望があるかだけ共有:宗教より先に「希望の有無」を知るだけでも安心が増える
まとめ:世界は「7分類」で見える。大事なのは“断定しないこと”
- 世界の主要宗教は、まず7分類で全体像を掴むと迷いにくい
- 宗教名だけで中身を決めつけず、地域差・教派差を前提にする
- 葬式や行事の背景を理解しやすくなり、尊重の行動につながる
次回予告
次回は、「日本の宗教観の特徴:『無宗教と言う人が多いのに行事は宗教的』問題」を、できるだけ丁寧に解きほぐします。
自己申告の「無宗教」と、寺社・行事・葬式が宗教的に見える理由を、統計と文化の両面から整理します。
参考リンク(一次情報・信頼できる資料中心)
- Pew Research Center:How the Global Religious Landscape Changed From 2010 to 2020(本文)
- Pew Research Center:上記レポート(PDF)
- 文化庁:宗教年鑑(宗教統計)
- 文化庁:宗教統計調査(調査の説明)
- 政府統計e-Stat:衛生行政報告例(埋葬・火葬・改葬などの統計表)
- Britannica:Antyeshti(ヒンドゥー教の葬送儀礼)
- Britannica:Ghusl(イスラム教の清め)
- Britannica:Judaism(基本慣行・制度)
- Britannica:Burial(埋葬・葬送の概説)
