パーキンソン病とは?

先日、ニュースでみのもんたさんが80歳で亡くなったというニュースを見ました。
「学校へ行こう」や「ミリオネア」「珍プレー・好プレー」をよく見ていた自分としてはショックを受けました。
死因としましては、2019年にパーキンソン病と診断され、そのことが原因で亡くなられたそうです。
そんなパーキンソン病とは何か。
今回はパーキンソン病について紹介していきます。
パーキンソン病とは
中枢神経系の変性疾患の一つで、運動機能に影響を与える神経変性疾患です。
進行性の病気であり、主に高齢者に発症することが多いですが、若年性パーキンソン病(50歳未満で発症)も存在します。

原因
パーキンソン病の主な原因は、脳の黒質という部分の神経細胞が減少することによるドーパミン不足です。
ドーパミンは運動を調節する役割を持つ神経伝達物質で、不足すると運動機能が低下します。
考えられる要因
・遺伝的要因(一部の家族性パーキンソン病)
・環境的要因(農薬や貴金属、ウイルス感染の関与)
・加齢(加齢とともにドーパミン神経の減少が進む)
主な症状
パーキンソン病の代表的な症状は以下の4つです。
1.振戦(しんせん/手足の震え)
・何もしていない時に手や指が震える
・精神的緊張で悪化する
2.筋強剛(きんきょうごう/筋肉のこわばり)
・筋肉がこわばり、動きにくくなる
・手足だけでなく、首や肩にも影響
3.無動・寡動(かどう/動作の遅さ)
・動作が全体的に遅くなる
・まばたきや表情の変化が少なくなる
4.姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい/転びやすさ)
・バランスを崩しやすく、転倒しやすい
・歩幅が小さくなり、すり足歩行になる
その他にも、便秘、仰うつ、不眠、認知機能の低下、自律神経症状(血圧のていか、発汗異常)などが現れることがあります。
診断方法
1.臨床診断
・医師による問診(症状の確認)
・神経学的診察(手の震え、筋肉のこわばり、歩行の異常)
2.画像診断
・MRIやCT(脳梗塞や腫瘍などの除外)
・DATスキャン(ドーパミン神経の変性を評価)
3.レボドパ試験
・パーキンソン病治療薬のレボドパ(L-ドーパ)を投与し、症状が改善するかを確認
治療法
1.薬物療法
パーキンソン病は完治する治療法はありませんが、症状を緩和する薬がいくつかあります。
・レボドパ(L-ドーパ):ドーパミンの補充
・ドーパミンアルゴニスト:ドーパミン受容体を刺激
・MAO-B阻害薬:ドーパミンの分解を抑える
・抗コリン薬:振戦を軽減
2.外科的治療法
・脳深部刺激療法(DBS):脳に電極を埋め込み、電気刺激で症状を抑える
・脳の一部を焼灼する手術(現在はDBSが主流)
3.リハビリ・運動療法
・ストレッチやヨガで体の柔軟性を維持
・転倒防止のためのバランストレーニング
・音楽療法やダンスで運動能力を刺激
予後と進行
パーキンソン病は進行性の病気ですが、薬物療法やリハビリを適切に行えば、長期間にわたって生活の質を維持できます。個人差はありますが、発症から10〜20年の経過をたどることが一般的です。
進行に伴い、薬の効果が減弱したり、認知症や嚥下障害が現れることもあるため、定期的な医療管理が重要です。
予防方法
パーキンソン病は完全に予防することは難しいとされていますが、発症リスクを下げるためにできることはあります。
生活習慣や環境要因が影響すること考えられるため、以下の方法で神経の健康を維持し、発症リスクを減らす可能性があります。
1.運動習慣をもつ
・有酸素運動・筋肉トレーニング・バランス運動・ダンス
→適度な運動がドーパミン神経を活性化し、神経細胞の保護につながる可能性があります。
2.健康な食生活を心がける
①抗酸化作用のある食品
・ビタミンC(オレンジ、キウイ、パプリカ)
・ビタミンE(ナッツ類、アボカド、ひまわり油)
・ポリフェノール(緑茶、ブルーベリー、赤ワイン)
②オメガ3脂肪酸
・青魚(サバ、イワシ、サンマ)
・亜麻仁油、エゴマ油
③腸内環境を整える発酵食品
・ヨーグルト・納豆・キムチ・味噌
→神経を保護する可能性がある栄養素を意識的に摂取しましょう
3.コーヒーや緑茶の定量摂取
→カフェインがリスクを下げる可能性がある
ただし、カフェインの摂りすぎには注意
4.脳を刺激する活動を取り入れる
・読書・パズル・囲碁・将棋・音楽・手芸・語学学習・ボランティア活動、友人などとの交流など
→脳への刺激がドーパミン神経の活性化につながると考えられています。
5.有害物質(農薬・貴金属)を避ける
・野菜をしっかり洗う・無農薬食品を選ぶ・安全な水を使用・塗料や化学溶剤を使用する際は換気よく、マスクを使用
→一部の環境要因(農薬、貴金属、溶剤)が発症に関与している可能性があるとされています
6.ストレス管理
・瞑想・十分な睡眠・趣味をもつ
→ストレスが溜まるとドーパミン神経が影響を受ける可能性がある
まとめ
✅パーキンソン病は進行性の神経変性疾患で、主にドーパミン不足が原因
✅手足の震え、筋肉のこわばり、動作の遅さ、バランス障害が主な症状
✅薬物療法が中心で、外科手術やリハビリも有効
✅進行を遅らせ、生活の質を維持するために早期診断と適切な治療が重要
✅健康的な生活が発症リスクを下げる可能性がある