テレビ離れって本当?|年代別のテレビ視聴とサブスク動画のいま&老後の楽しみ方
「おじいちゃんは一日中テレビをつけっぱなし」──そんなイメージ、ありませんか?
でも今は、テレビだけでなくAmazonプライムビデオやNetflix、TVerなど、動画の楽しみ方が大きく変わっています。
テレビや動画を見ることは、立派な趣味のひとつです。映画、スポーツ、ドラマ、バラエティ、教養番組…。
うまく付き合えば、毎日の楽しみや話題づくりにたくさんの「種」をくれます。
この記事で得られること
- 年代別の「テレビ vs インターネット・動画配信」の利用傾向がざっくりわかる
- 今のテレビ番組とサブスク動画サービスの違い・特徴がつかめる
- 老後の時間を「なんとなく」ではなく、「自分らしい楽しみ方」に変えるヒントが見つかる
老後とテレビ・動画の関係
- 定年後は「時間はあるけど、何をしていいかわからない」時期になりがち
- テレビや動画は、情報収集・娯楽・リラックス・健康づくり(体操やヨガ動画)など、幅広い楽しみ方ができる
- 一方で、座っている時間が長くなりやすいので、「見る時間」「体を動かす時間」をゆるく分けておくと、より安心して楽しめる
1.今、テレビって誰がどれくらい見ている?
年代別にみるテレビとインターネット
総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、50代以上ではテレビ(リアルタイム視聴)の利用時間がインターネットより長い一方で、10〜30代ではインターネットの方が長いという結果が出ています。
60代でもインターネットの平均利用時間が1日2時間を超えており、高齢層もネット動画を含むインターネット利用が増えていることがわかります。
また最新の分析では、平日・休日ともにインターネット利用時間がテレビを上回った一方で、情報源としての重要度は50代以上では依然として「テレビ」がトップという結果も報告されています。
参考:総務省 情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」 ほか
若い世代は動画配信サービスの時間がテレビの2倍
民間調査では、10〜20代では動画配信サービスの利用時間がテレビ視聴の約2倍という結果も出ています。一方で、10代のテレビ視聴時間は60代の約半分程度とされ、「若者はネット動画中心、60代以上はテレビ中心」という構図が見えてきます。
参考:メディア利用に関する民間調査(BCGなど)
高齢層ほど「テレビはなくてはならない」
放送業界の調査では、高齢層ほどテレビ放送を「なくてはならない」と感じる割合が高い一方で、若年層では「動画共有サービス(YouTubeなど)」や「その他動画配信サービス」の方を必要と感じる傾向が強いことが示されています。
つまり、今の日本は「テレビ+ネット動画」が世代ごとに比率の違うミックス状態と言えそうです。
2.テレビ番組の中身も変化している
- ニュース・情報番組の「ワイドショー化」:朝から夕方までニュースと生活情報を組み合わせた番組が増加。
- 再放送・傑作選の活用:人気ドラマやバラエティの再放送枠が増え、「懐かしさ」を楽しめる一方で、初回放送の本数はやや絞られる傾向。
- 連動アプリ・SNS:番組がX(旧Twitter)や投票アプリと連動するなど、「スマホを片手にテレビ」というスタイルも一般的に。
- 見逃し配信:TVerやNHKプラスなど、「放送+ネット配信」前提の番組づくりが当たり前になりつつある。
昔ながらの「決まった時間に家族でテレビの前に集合」というスタイルから、「自分のペースで後から見る」「気になるところだけ見る」スタイルへとゆっくりシフトしています。
3.動画サブスクの広がりとおすすめサービス
有料動画配信サービスの利用は3,800万人規模に
ICT総研の調査によると、日本の有料動画配信サービス利用者数は約3,890万人(2025年時点の推計)とされ、定額制動画配信サービスの利用率は約3割に達しています。
サービス別では、Amazonプライム・ビデオの利用率がトップ、次いでNetflixという結果が報告されています。
参考:ICT総研「2025年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査」
別の調査では、映画・ドラマ・アニメのサブスクは20〜30代の利用経験率が最も高く、50〜60代はやや低めだが着実に増加していることも指摘されています。
「若い人だけのもの」だったサブスクも、いまや中高年にも広がってきました。
タイプ別・おすすめ動画サービス
①「テレビ感覚で見たい」人向け
- TVer:民放各局の見逃し配信。ニュース・ドラマ・バラエティを「昨日の続きから」見られる。基本無料。
- NHKプラス:NHK受信料契約者向けの見逃し・同時配信。朝ドラ・大河・ニュースを自分のペースで。
- ABEMA:ニュース・スポーツ・アニメなどを「チャンネル形式」で流し見でき、テレビに近い感覚。
②「映画や海外ドラマをじっくり」見たい人向け
- Amazonプライム・ビデオ:プライム会員なら追加料金なしで映画・ドラマが多数。通販ヘビーユーザーならコスパ◎。
- Netflix:オリジナルドラマや海外作品が充実。海外ドラマ好き・サスペンス好きに人気。
- Disney+:ディズニー・ピクサー・マーベルなど家族向け作品が多く、孫と一緒に楽しみたいときに。
③「趣味・教養・学び」に使いたい人向け
- YouTube:料理・健康体操・歴史解説・語学など、無料コンテンツが豊富。チャンネル登録で「自分の先生」を見つけやすい。
- U-NEXT:映画やドラマに加え、電子書籍・雑誌読み放題もあり、「動画+読書」をまとめたい人に。
- 専門系サービス(例:dアニメストア、スポーツ専門配信など):特定ジャンルをとことん楽しみたい人向け。
※サービス内容・料金は変更されることがあります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
4.老後のテレビ・動画をもっと楽しむアイデア
テレビもサブスクも、「ほどよい距離感」で楽しめば強い味方です。
① 「ながら見」の時間を、あえて使い分ける
- 「なんとなくつけておく時間」も悪いわけではありませんが、あえて「集中して見る時間」と「他のことをする時間」をゆるく分けてみると、1日のリズムがつかみやすくなります。
- 好きな番組・作品だけを選んで見ると、「見終わったあとの満足感」が大きくなります。
② 「休憩時間の友だち」として活用する
- 家事や用事の合間に、お気に入りのニュース番組や旅番組を「休憩のおとも」にする。
- 夜は、ドラマ・映画・アニメなど、その日の気分で「1本だけ見る」など、自分なりのリズムを作る。
③ 家族・友人とのコミュニケーションツールに
- 離れて暮らす家族と「同じドラマ・同じアニメ」を見て、電話やメッセージで感想を送り合う。
- 孫が好きな作品を一緒に視聴して、世代を超えた共通の話題をつくる。
テレビや動画は、うまく付き合えば老後の「ひまつぶし」ではなく、「毎日の小さな楽しみ」になります。
自分のペースで、心地よい距離感を探していきましょう。
参考リンク(データ・調査)
- 総務省 情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」:https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000122.html
- ICT総研「2025年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査」:https://ictr.co.jp/report/20250423.html
- A-PAB「テレビ視聴動向リサーチ」:https://www.apab.or.jp/wp-content/uploads/2025/05/release_20250516.pdf
- BCG「メディア消費者行動調査」:https://bcg-jp.com/article/421/
更新履歴
- 初版公開:2025年11月14日
