お金⑬〜相続〜

相続は亡くなった人(被相続人)の財産を家族(相続人)が受け継ぐことです。
しかし、遺産の分け方・相続税・手続きの期限など、知っておくべきことが多くあります。
ここでは、相続の基本・相続税・手続きの流れ・トラブルの防止策を紹介します。
1.相続の基本ルール
🔲誰が相続人になるのか?
民法では、法定相続人(相続できる人の順位)が決まっています。

☆ポイント
・配偶者は常に相続人
・子がいる
→親や兄弟には相続権なし
・子がいない場合
→親→兄弟姉妹の順で相続
・遺言があれば、上記の割合に関係ない
🔲相続できる財産
◯プラスの財産(受け継げるもの)
・不動産
・預貯金
・株式、投資信託
・生命保険金(みなし相続財産)
・貴金属、車、骨董品
・会社の持分(事業承継)
×マイナスの財産(相続すると負担になるもの)
・借金、住宅ローン
・未払い税金(所得税・住民税)
・未払い医療費
・連帯保証債務(保証人になっていた場合)
★借金が多い場合は「相続放棄」も検討!(3ヶ月以内に手続きが必要)
2.相続税の基礎
🔲相続税はどのくらいかかるのか?
相続税は、基礎控除を超えた財産に対して課税されます。
基礎控除の計算

相続税率

出典:国税局HP (令和6年4月1日現在法令)
▶️例:配偶者+子2人(3人の相続人)、総財産1億円の場合
①基礎控除額=3,000万円+600万円×3人=4,800万円
②課税対象額=1億円ー4,800万円=5,200万円
③相続税=5,200万円×0.3(30%)ー700万(控除額)=860万円
★基礎控除以内なら、相続税はかからない
🔲相続税を減らす方法(節税対策)
▶︎生前贈与を活用
・年間110万円まで非課税で贈与可能
・早めの資産を移せば、相続財産を減らせる
▶︎配偶者の税額軽減
・配偶者が相続する財産は、1億6,000万円まで相続税が無課税
・夫婦で財産を分ける
▶︎生命保険の活用
・「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税
・生命保険を使って資産を減らし、税負担を軽くする
▶︎不動産を活用
・現金よりも不動産の評価額が低くなるため、相続税を抑えられる
・小規模宅地の特例を活用すれば、居住用不動産の評価額を80%軽減
3.相続の手続きの流れ
相続の手続きには期限があるため、早めに進めることが重要。
🔲相続手続きのスケジュール

☆期限を過ぎると、相続税の軽減措置が受けれなくなるので注意!
4.相続トラブルを防ぐ方法
相続トラブルは、遺産分割や税金負担でおこりやすいです。
☆生前から準備しておくことが重要!
▶︎遺言書を作成
・公正証書遺言を作成すると安心(改ざん、紛失リスクなし)
・相続人がもめないように、財産の分け方を明確する
▶︎生前贈与でスムーズな資産移転
・子供や孫に早めに資産を渡すことで、相続トラブルを防ぐ
・贈与税がかからない範囲(110万円/年)を活用
▶︎家族信託で認知症対策
・親が認知症になると財産が凍結される
・家族信託を利用すると、子どもが親の財産を管理できる
▶︎相続人全員で話し合う(事前対策)
・相続が発生する前に、家族会議を開いておく
・特に「不動産の分け方」でトラブルになりやすいので注意!
まとめ

相続はトラブルになることがありますので、早めに準備することが大切です。
遺言書・生前贈与・家族信託を活用すれば、円満な相続を実現できると思います。