お金③〜年金について〜

日本の年金制度は、多層的な構造を持つ社会保障制度で、老後の生活を支える重要な役割を果たしています。
明治時代から始まり、戦後の社会保障制度の整備を経て少しずつ形を変えながら、現在の形になりました。
それでは、日本の年金制度の仕組み説明します。
日本の年金制度の構造

出典:厚生労働省 年金制度の仕組み https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_shikumi_03.html(参照日:2025年1月30日)
1.公的年金(基礎部分)
①国民年金(1階部分)
・対象:日本に住み20歳以上60歳未満のすべての人
・保険料:月額16,520円(2023年度)
・支給額:満額(40年間納付)で年額約78万円(月額約65, 000円)
※納付年数に応じて支給額は減少
・受給開始年齢:原則65歳
※60〜75歳の間で繰上・繰下げ可能(75歳まで繰下げられるのは2022年4月以降に70歳になる人)
②厚生年金(2階部分)
・対象:会社員、公務員など
・保険料:給与の18.3%(労使折半)
・支給額:平均年額約140万円(月額約11〜12万円)
※賃金と加入期間に応じて変動
・受給開始年齢:原則65歳
※60〜75歳の間で繰上・繰下げ可能、一定の条件を満たす方は、65歳までの間に特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます。
2.企業年金・私的年金(任意部分)
①確定拠出年金(DC)
・企業型DC:会社が拠出する場合と個人が拠出する場合がある
・個人型DC(iDeCo):自営業者や企業年金がない人が対象、拠出額に応じた税制優遇がある、60歳以降で受給可能
②確定給付年金(DB)
・退職後の給付額があらかじめ決まっている年金
例:厚生年金基金、企業年金基金
③個人年金保険
・生命保険などが提供
・個人で加入し、積立額に応じた年金が支給
年金の仕組みと特徴
1.拠出と受給の仕組み
・賦課方式:現役世代が支払う保険料を現在の年金受給者に支給、少子化の影響を受けやすい
・積立方式(一部):iDeCoなどは個人で積み立て、将来自分のために使う
2.年金の支給額の決定要因
・国民年金:納付月数により支給額が決まる(480月で満額)
・厚生年金:加入期間、平均標準報酬月額、標準報酬月額の累計額で決定
3.年金の繰上げ・繰下げ
・繰上げ支給(60歳〜64歳):1ヶ月につき0.5%減額(最大30%減額)
・繰下げ支給(66〜75歳(老齢基礎年金は75歳まで繰下げられるのは2022年4月以降に70歳になる人)):1ヶ月につき0.7%増額(最大84%増額)
4.遺族年金・障害年金
・遺族基礎年金:子供がいる配偶者などに支給
・遺族厚生年金:亡くなった人が厚生年金加入者だった場合、その配偶者に支給
・障害基礎年金:国民年金加入中に障害を負った場合に支給
・障害厚生年金:厚生年金加入中に障害を負った場合に支給
年金制度の課題と改革
1.少子高齢化の影響
・現役世代の減少と高齢者の増加により、年金財政が圧迫されている
2.年金額の不足感
・生活費を賄うには不十分と感じる受給者が多い。
3.受給開始年齢の引き上げ議論
・高齢化に伴い、70歳以降への受給開始の引き上げ論争されている。
4.女性や非正規雇用者の年金格差
・女性や非正規労働者は、年金加入期間が短く年齢額が少ない傾向。
年金の確認と管理
1.ねんきん定期便
・毎年、誕生月に送付される年金加入記録と見込み額の通知
2.ねんきんネット
・オンラインで年金加入状況や将来の受給額を確認可能
日本年金機構→https://www.nenkin.go.jp/index.html
結論
日本の年金制度は、多層的に構築されており、公的年金が基本となり、企業年金や個人年金で保管する形です。
将来の年金受給額の把握し、不足分を貯蓄や投資で補うことが重要です。
若い時は、老後の年金の必要性なんて全く考えていなかったけど、実際働けなくなって年金だけの収入で生活するとなると、生活費が足りないと思いました。
早い段階から動くことが重要です。